2008/01/14 月曜日月曜日
Manhattan OKINAマンハッタン翁
Open: 18:30:00 | Start: 19:00 - 23:59
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マンハッタン翁
アメリカ日系人たちの精神的な支えとなり、彼らの社会に貢献した、日系2世、ジョージ・ユザワ氏に捧げる。能以前の芸能である「翁」から発想した劇作品。マンハッタンに住む3人の老人は、それぞれマンハッタンに咲く「花の精」に連れられ天に昇り、マンハッタンの人々に祝福を与える「翁」となる。英語能と日本能の「バイリンガル能」。
出演: シテ (翁): 桜井真樹子 (声明/白拍子)、ワキ (花の精): 佐久間二郎 (観世流)
地謡: リチャード・エマート (喜多流)
小鼓: 今井尋也 (幸流)、ジェームス・ファーナー (幸流)、ジョン・リトン (大倉流)
能管/龍笛: 滝沢成美 (一噌流)
声明: 藤木友美 (声明)
能面: 北澤秀太
演出: 桜井真樹子
舞台監督/美術: 村信保
照明: 浅川環
衣装: 永瀬ふみ江
原作/脚本: 桜井真樹子
主催/制作: 「座OKINA」
協賛: (株)アサヒビール、武蔵野楽器、企業メセナ協議会助成認定
お問い合わせ・前売り予約:
メールにて「座OKINA」までご連絡下さい。
概要:
「マンハッタン翁」は新作能である。ニューヨークに住む、ヒスパニック、日系、アフリカ系の三人の老人が、この世を去る時に、それぞれの「花」の「精」に出会う。そしてこの世から天の世界へと案内される。
日本の各地に残されている「翁」の芸能(奈良豆比古神社、春日若宮おん祭り、黒川能など)、能の番組として行われている「翁」より発想した、作者のニューヨーク滞在の経験から、ニューヨークの老人たちへ捧げる作品として、桜井が原作・脚本した。この作品は、第二次世界大戦の前後を通して、アメリカ日系人たちの精神的な支えとなり、また彼らの社会に貢献した、日系2世のジョージ・ユザワ氏に捧げる。
構成は、「ヒスパニックの老人」「日系の老人」「アフリカ系の老人」「天」の四部に分かれている。今回は時間の都合上「アフリカ系の老人」「天」の二つを上演する。世界初演。
役者は、観世流能楽師佐久間二郎による、能のスタイルによる演技。リチャード・エマートは、30年間に渡り、喜多流の能を学び、独自の発想によって英語で能の謡を作曲している。桜井真樹子は、天台声明を女性として始めて、取得し、平安時代の女性の歌舞「白拍子」を復元し、平安時代の歌と舞のスタイルを追求し、活躍している。今井尋也は、小鼓奏者として、生徒と共に複数の合奏形態の小鼓を作曲する。
この作品は、日本語による謡のみならず、リチャード・エマートの英語の謡によって、全編を英語で筋(ストーリー)を理解できる構成になっている。
あらすじ:
ニューヨーク・マンハッタンに育ち、寿命をまっとうしようとしているアフリカ系の老人がいる。かれは、今、慈善病院に臥せっている。
彼は、一生、貧しく、孤独だった。彼の祖先は、豊かな国から、奴隷として船でこの国に連れて来られた。奴隷から解放されても、どこに行って働いても、一度たりとも豊かな人生を送ったものは、いなかった。彼の兄弟や友人は、まずしい街中での、怒り、憎しみ、怨みの中で、ドラッグや、喧嘩での銃やナイフで、さらには出兵のために、若くして死んでいった。彼は、彼らの分まで生きようと、命を守ってきた。
しかし、今、死の床についても、誰も見舞うものも、よくなってほしいと願うものもいない。
彼の目からは光が消え、喉には、食べるものは何も通らなくなり、まさに死を迎えようとしているときに、彼は百合の花の香に気がついた。その香に、彼の両親や祖父母から聞いた話を思い出した。「私たちの故国では、真夜中の月の光さえないとき、百合の香に出会って、その香についてゆくと、すべての生き物たちが互いに平和に暮らしているという『楽園』にたどり着けることができる。その『楽園』に導かれた人間は幸いである」と。
彼は、その百合の香で、人生の最後に出会えたと思った。
すると、百合の香は、たちまち、風を突き抜けて、この老人のもとに集まってきた。「幸いなる人。あなたの祖先は、豊かな国から奴隷として船で運ばれて来ましたが、今、あなたは、この死の床を離れて、この百合の香の舟に乗り、天の国に向かいます。」
アフリカ系の老人は、天の国に着いた。そこには、マンハッタンで孤独に死んでいったヒスパニックや、日系の老人もいる。そして、白菊 (daffadiles)が咲き、桜の花が舞い値っている。そして百合の香が漂っている。
老人たちは、花の精に尋ねる。「私たちの一生は、貧しく、孤独で、豊かであったことは一度もありません。なぜ故国を離れ、このマンハッタンで、生きて死んでゆかねばならないのでしょうか?」
そこで「花の精」は答える。「あなたがたは、このマンハッタンで今も、貧しく、孤独に生きている人々を祝福する力をもつ『翁』になるために、このマンハッタンで生涯を生きたのです。あなたがたによって、マンハッタンのすべて人々に平和と祝福がもたらされます。私たちは、マンハッタンに翁を得ることができたのです。なんとめでたいことでしょう。」
そして、この翁たちは、祝福の舞いを舞う。
Three Okina descend upon Manhattan on New Year's Day
Manhattan OKINA official HP
For inquiris and reservations, please email to Za OKINA. (048-297-4354)
Manhattan Okina has its roots in the ritual performance of Okina, which is today performed in noh theatre but predates it as a Shinto religious rite. Our performance tells the story of three old men who live in Manhattan and reach the end of their lives, where they are greeted by a flower spirit who carries them away to heaven. There they become Okina—respected gods who look after the welfare of people on earth and bring them peace and joy. Our performance is dedicated to George Yuzawa who has long been an important figure in Nisei American society in the United States.
Manhattan Okina is a bilingual performance in Japanese and English combining elements of noh theatre, shomyo Buddhist chant and gagaku classical dance and music.
Conception/Text/Production: Sakurai Makiko
Cast
Okina - Sakurai Makiko (shomyo, shirabyoshi)
Flower spirit - Sakuma Jiro (noh Kanze school)
Utai (chorus/narration) - Richard Emmert (noh Kita school)
Kotsuzumi (hand drum) - Imai Jinya (noh style), John Lytton (kabuki style), James Ferner (noh style)
Nohkan/Ryuteki (flute) - Takizawa Narumi (noh Isso school)
Shomyo - Fujiki Tomomi (shomyo)
Noh masks - Kitazawa Hideta
Stage Manager/Stage Design - Muranobu Tamotsu
Lighting - Asakawa Tamaki
Costumes - Nagase Fumie
Sponsored by:
Za OKINA (Sakurai Makiko/Imai Jinya/Richard Emmert)
With the support of Asahi Beer Co. and Musashino-Gakki Co.
Sanctioned by
the Kigyo Mecenat Kyogikai - Association for Corporate Support of the Arts, Japan
In cooperation with SuperDeluxe
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