まわりつづける ことばのない時間
SupernaturalDeluxeでの初となる展覧会「流転」は、日々の中で無意識に過ぎ去る“時間の流れ”を、感覚を通じて静かに見つめ直すためのインスタレーション。
敷地内に佇む火入れ蔵の闇に浮かぶのは、Shinobu Hashimoto のキネティック・モビール。重力に揺れ続けるその姿に呼応するように、VJ Wasabi のプログラムによる光と音が響き、絶え間なく移ろいます。その一つひとつの揺らぎが、観る人の記憶や感情と結びつき、言葉では語れない体験を静かに刻んでいきます。
Shinobu Hashimotoが手がけるモビールは、SupernaturalDeluxe敷地内にある登録有形文化財「火入れ蔵」という特異な空間で、新たな表情を生み出します。闇に包まれた蔵の中で、光と影が交錯し、モビールは重力に導かれるように静かに、あるいは予測不可能な揺らぎをともなって舞います。
その姿は単なる装飾ではなく、空間全体を変容させるキネティックアートとしての存在感を放ちます。Shinobu Hashimotoのモビールは、風や人の気配、わずかな空気の流れに反応し、常に異なる光景を描き出します。光が投げかける影は、壁や床に柔らかく広がり、静寂のなかで揺らぐ闇とのコントラストが、見る者の感覚を研ぎ澄ませます。
アナログな手仕事と空間そのものを取り込む表現が交わることで、蔵の内部は一瞬一瞬が異なる表情を持つ舞台へと変わります。そこに立ち現れるのは、計算できない動きが生み出す偶然性と、美学としての必然性が交錯する、Shinobu Hashimoto独自の世界です。
開催概要
期間:2025年11月8日 (土) 〜 15日 (土)
Open:11:00 – 18:00
場所:SupernaturalDeluxe (千葉県鴨川市西町1040)
料金:¥500(お茶付き)日~金
オープニング / クロージング Live
会期初日と最終日には、空間の流れに音を重ねるパフォーマンスを開催します。
11月8日 (土)「流転」with Sapphire Slows, Chris SSG ➡【Tickets】
11月15日 (土)「流転」with 角銅真実 ➡【Tickets】
アーティスト:
橋本 忍 (Shinobu Hashimoto)
1980年北海道札幌生まれ。
大学卒業後、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアを旅し。その後、静岡県に移住し工房を構え制作活動。活動名は「Shinobu Hashimoto」ブランド名は「ningulu」制作はすべて独学。
ギャラリーでの展示をはじめ、個展や百貨店催事、クラフトマーケットなど、さまざまな場所で作品を発表。
真鍮や銅を素材にしたモビールは、光と風を受けて静かに揺れ、時間の流れを緩やかに変えていく。 金属の質感と経年変化の美しさを生かしながら、空間にやわらかな気配をもたらす。
instagram @shinobu_hashimoto
VJ Wasabi
1999年、オーストラリアで過ごした時間をきっかけに世界を旅するようになり、トルコやヨーロッパ、インド、東南アジア、南北アメリカ、北欧など、多様な文化や人々の感覚に触れてきた。旅で出会った風景や記憶は、のちの表現の源となり、現在の映像にも静かに息づいている。
2010年、京都・妙蓮寺での『電子山』でVJとして活動を始め、2017年のMingle VillageではアーティストShinobu Hashimotoとともに光と影のインスタレーションを制作。以降も同イベントで映像と照明を手がけ、空間と時間の呼吸を探り続けている。
近年はAI生成映像をプログラム的に合成し、光・影・音の揺らぎの中に“時間のかたち”を見つめる試みを続けている。旅の記憶とテクノロジーが交わる場所で、幻想的かつサイケデリックな空間体験を生み出している。
instagram @wasabi.naoki